【CFD】米国VIブル2倍(VIXレバ2倍)ETFの破壊力

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ダイヤモンド社のザイFX!でも話題にされていますが「米国VIブル2倍ETF」というCFDが面白いです。一部の投資家の間で注目を浴びています。

米国VIブル2倍CFDの魅力

「米国VIブル2倍ETF」は、米国の上場投資信託(ETF)「プロシェアーズ・ウルトラVIX短期先物ETF」(略称:UVXY)に連動したETFです。

「UVXY」は「S&P500VIX短期先物インデックス」の運用実績の2倍に連動する日次の投資成果を目指しています。

「米国VIブル2倍ETF」が、なぜ注目かは下記のチャートを見て下さい。

米国VIブル2倍CFDのこの1年のチャートですが、見てのとおり急激な右肩下がりが続いています。

ちょうど1年前は400程度だった数値が現在は10程度、つまり1年で価格が1/40になっているということです。

つまり、CFDで売りポジションを持ち続けると、大幅な利益が期待できるということです。美味しいと思いませんか?

VIX指数とは

先ほどからVIXというワードが出ていますが、VIX指数とは、シカゴ・オプション取引所が作った「ボラティリティ・インデックス」の略称です。

VIX指数は、S&P500を対象とするオプション取引の値動きを元に算出されていて、投資家心理を示す数値として利用されているため、別名「恐怖指数」とも呼ばれています。

恐怖指数は、相場の先行きに不安が生じると数値が大きく上昇する特徴があります。

過去のチャートを見ると、2008年10月のリーマンショック時には89.52015年8月のチャイナショック時には53.3まで大きく上昇しました。

ただ、平常時は10~20の範囲内で一定で推移しています。

米国VIブル2倍CFDはなぜ下がり続けるのか?

ひたすら下がり続ける米国VIブル2倍CFDですが、なぜこのようなチャートになるのでしょうか?

先物をベースにしたレバレッジETFであることが理由です。

さっぱり分からない人も多いと思いますので、ポイント2点を下記で説明します。

レバレッジETFの特徴(レバレッジ減価)

レバレッジETFは、その仕組み上、価格変動が落ち着いて推移すると指数は下がってしまうという特性があります。

例えば、指数がもともと「100」だとして、翌日「110」(10.0%上昇)になり、翌々日に元の「100」に戻る(9.1%下落)とします。

この時、2倍のレバレッジが効いていると「日々の変動率が2倍」なので、元を「100」とすると、翌日には20.0%上昇して「120」になり、翌々日はそこから18.2%下落して「98.2」になります。

さらに、元の指数が「100」と「110」を10回往復して100に戻ったとしても、2倍のレバレッジ指数は少しずつ下がって「83.2」まで下落する計算になります。

つまり、元の指数が一定の範囲でヨコヨコに推移していくと、レバレッジ指数は下落することになります。

先物は次第に価格が下落(コンタンゴ減価)

さらに、この「UVXY」は、VIX指数ではなく、VIX短期先物をベースにしています。

先物取引は、取り引き期限のある商品を、現時点で取り決めた価格で取り引きする取引の種類です。

先物取引では「コンタンゴ」と呼ばれる、取引期限(限月)に近づくと、次第に価格が安くなる現象が起こります(市場が異常な状態になっている場合は逆の現象が起こりますが、これは「バックワーデーション」と呼ばれます)。

UVXYや原油のように、先物をベースにしているCFDの場合、CFD自体は期限がありませんので、取り引き期限の近づいた先物から取り引き期限の遠い先物に乗り換える必要があります。

先物取引で、取り引き期限が近い商品から、取り引き期限が遠い同一商品に乗り換えることを「ロールオーバー」と言います。

コンタンゴの場合、徐々に価格が下がるので、ロールオーバー時に価格が安い(取り引き期限が近い)先物を売ってから価格の高い(取り引き期限が遠い)先物を買うことになるため、その損失を補償するために、マイナスの価格調整額が発生します。

ここでのポイントは、VIX先物は、価格の下がり方(コンタンゴ)が特に大きいので、他の商品ETFよりも顕著に減価します。

では、どこまで下がるのか?

桁違いに価格が下がっていくUVXYですが、下がりきってしまったらどうなるのでしょうか?

いわゆる「底」はないのでしょうか?

底はありません。ここが注意点です。

これまでの例で言うと、指数が10を切るあたりから「株式併合」が行われ、新価格で売買されます。

「株式併合」とは、何株かを併せて1株にまとめることを言います。

直近では、2017年7月14日に4:1の併合が行われます。この場合、4つの建玉を1つにまとめるかわりに、新価格は4倍になります。

例えば10ドルの建玉を4枚を保有した場合、7月14日を迎えると建玉が1枚になるかわりに、価格が4倍の40ドルに変わります。

ネット上の掲示板では、併合によって価値が激減してしまうので米国VIブル2倍CFDは超危険という誤解のある書き込みが散見されますが、実際には保有する建玉全体の価値は変わりませんので、そのような心配はありません。

ただし併合によって、新しい建玉の枚数に1枚以下の端数が出てしまう場合は、端数分は強制決済になります(決済は端数分のみで大損することは考えにくく、大勢に影響はありません)。

下記の表の通り、2011年に上場して以来、これまで7回併合しています。2017年7月14日の併合が8回目になります。

日付 併合割合
2011年10月3日 上場
2012年3月8日 6:1
2012年9月7日 10:1
2013年6月10日 10:1
2014年1月24日 4:1
2015年5月20日 5:1
2016年7月25日 5:1
2017年1月12日 5:1
2017年7月14日 4:1

 

下がっては併合、下がっては併合、を繰り返しているので、現在の価格は上場時の30万枚分が1枚に併合されていることになります。

2017年7月1日の終値は9.74ドルですが、併合による「現在の1枚に対する換算額」を考慮すると、上場時の価格は約1000万ドルと見なせるので、現在の価格は上場時の100万分の1になっていることが分かります。

米国VIブル2倍CFDの危険性

売りで持っていれば、長期的には必ず儲かるはずの米国VIブル2倍CFDですが、リーマンショックの際には、価格が20倍に跳ね上がりましたので、フルレバレッジでの全力投資は危険です。

本ブログのテーマである心穏やかに投資を楽しむためには、十分に証拠金を入れて実効レバレッジを下げておく必要があります。

米国VIブル2倍CFDを取引するには

「米国VIブル2倍ETFをCFD」で取引できる証券会社は、GMOクリック証券だけです。

詳しくは、GMOクリック証券の公式サイトをチェックしてみて下さい。

情報源としては、こちらも参考になります。

基本情報

ETF銘柄名称 プロシェアーズ・ウルトラVIX短期先物ETF
ティッカーコード UVXY
種類 バラエティCFD
値動き 2倍
レバレッジ 5倍
取引単位 1倍
取引時間 22:30~翌5:00
必要証拠金 218円
金利調整額(1日あたり) 売り:-0.05円/買い:-0.12円
権利調整額 あり
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コメント

  1. […] 個人的にはエマージェンシー通貨よりも、原油CFDや株価指数CFD、VIX(恐怖)指数ベースの米国VIブル2倍CFDなどの方が、低リスクで確実に儲かると思っていますが、トルコリラ、メキシコペソが暴落した際にだけ、連続予約注文機能でロングポジションを拾ってトラリピ的に運用しながら、同時にスワップ収入も楽しむという運用も面白いかもしれません。 […]

  2. […] 米国VIブル2倍ETFだけはトラリピ運用しておらず、売りポジション放置状態ですが、【CFD】米国VIブル2倍ETFの破壊力でも紹介したとおり、どんどん含み益が積み上がっている状況なので、 […]

  3. […] 以前の記事(米国VIブル2倍ETFの魅力)で紹介した、VIX指数の日々の値動きの2倍に連動する「米国VIブル2倍ETF」をCFD取引できるGMOクリック証券から「建玉の併合」のお知らせがありました […]

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